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コラム【クリエイティブ・ワーク#15】;挑戦に「失敗」はない

2017/05/15

これまで、多くの新規事業創出プロジェクトに係わらせて頂いた。残念ながら、創出された事業構想の多くが、日の目を見ずにお蔵入りとなっている。もう少し調査・検討が必要との結論となり、プロジェクトが終了=私の手を離れる。その後も、暫くは継続されるのだが、次第にプロジェクトメンバーのモチベーションも下がってしまい、お蔵入りとなってしまう。

新規事業の採択基準として重要視されているのは、IRRなどの投資回収に係わる基準と、その「リスク」だが、ここに問題がある。

問題の一つは、「リスク」の捉え方だ。新規領域での事業創出の経験のない企業、例えば、自社事業領域が右肩下がりの状況で、重い腰をようやく持ち上げて検討を始めた企業など、では、分からないこと=「リスク」と一纏めに考えてしまうため、新しい領域での事業「リスク」を高めに見積もる傾向がある。そして、この「リスク」をゼロに近づける、或いはリスクヘッジができるようにと指示が出る。

これからやる新しいこと、すなわち、やったことのないことに係わるリスクをゼロにするまで検討するということは、タマネギの皮を剥き続けるような行為であり、ある程度の割り切りで実行に踏み切るという覚悟がないと、どこまで検討しても出口が見えない状況に陥ってしまう。その上、そのような会社では、新しいことに取り組むのになれておらず、何をするにも、一々面倒で手間がかかる。だから、メンバーのモチベーションも下がってしまう。

さらに、比較対象となるBaU(Business as Usual)の評価にもバイアスがかかっている。新しいことを何もしないことによる機会の消失「リスク」という考え方からだ。要は、今まで通りの事業を継続した場合は、「リスクゼロ」と考えられている。つまり、隣の芝は青く見えるの反対で、隣の領域はよく分からないので、危険が一杯のように見え、自分の領域はとても安全に見えている。しかし、実際は、そうではないはずだ。例え、東芝の下請けをやっていた企業はどうだっただろうか?トヨタのエンジンを作っていた鋳物メーカーはどうなるだろうか?

もう一つの問題は、採択基準として、所謂無形資産の充実が明確化されていない点だ。収益は、新規事業の一つの目的にすぎない。人財の引き留め、社員の道べーション向上、次フェーズで活躍が期待される人財の獲得、新たな領域の情報収集やネットワークづくりなどの、次なる収益獲得に向けた、所謂無形資産の充実こそが、最重要の目的であるはずだ。制約条件として、収益性の確保が求められているはずだ。

多くの事業で、事業を構想して立ち上げ、収益が上がるまでに、5年以上がかかる。また、充実化した無形資産も、結果が健在化するまでには相当の時間がかかる。しかし、その間、本業の下降は待ってくれないし、途中何が起きるかも分からないはずだ。

だからこそ、不確実な現代を生き抜くためには、兎に角いち早く、取り組まなければならない。つまり、挑戦したことにこそ、価値があり、挑戦した時点では「失敗」はあり得ない。挑戦が失敗するのは、挑戦をやめてしまうか、挑戦したことによる果実をきっちりと回収しようとせずに、蓋をしてしまったら、初めて『失敗』となる、そう考えて新規事業に挑戦して欲しい。

 以上