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課題は山積み、何から手をつけたら
課題は満載。やらなければならないことも山積み。当然、やらなければならないすべてに、それなりの理由もある。新しく何かやろうとするとき、こういった状況に直面する。しかし、すべては到底出来ない。結果、「取り敢えず、出来そうなことから、手をつけてみるか」となりがちだ。
一道万芸に通ず
とは宮本武蔵の言った言葉だ。一つの道を究めたならば、その経験、知識、視座はすべての芸の習得に通じるということだ。「T型人間、さらに出来れば2つの得意を持ったπ型人間になりなさい」は、大学生の頃、末石富太郎教授の授業で言われた言葉だが、私の人生に大きな影響を与えた。
一点突破、全面展開の企業戦略
企業経営でも同じことが言える。ユニクロ成長のきっかけは、カジュアルファッションの中心地である原宿に出店し、自信のあるフリースに一点にフォーカスして大々的にプロモーションし、それが全国へと拡がったことだった(松下久美氏,「ユニクロ進化論」,ビジネス社)。他にも、1996年に大阪に進出した際に、高密度集中出店の「ドミナント戦略」でローソンの牙城を崩したセブンイレブンや、有名でないリゾート地を集中的に扱うことで、圧倒的格安旅行を提供するブランドを勝ち得て成長できたHISなどがある。
課題の構造化とツボの発見
最初にご紹介した課題解決に向けてもそうだ。やった方が良いことは一杯ある。やった方が良い理由もちゃんとある。その一杯、やった方が良いことがある中で、何をやるべきかが問われる。課題の因果関係を見極め、突破すべき一点のツボを突き抜けられれば、自ずと他の課題も好転していくはずだ。
他の課題を敢えて放置するのには覚悟がいる。役員から、「あればどうなっているんだ?」と聞かれた時、全くやっていないと怒られるかもしれないから。しかし,怒られないように,何でもかんでも中庸にやっていては、いつまでたっても突破は出来ない。
以上