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2019.09.01
コラム
Column[Creative Work#54] ;組織での戦略的思考

日々求められる「戦略」

ニュースでしばしば目にする「戦略」という言葉。
昨日のニュースでも、「香港のデモ隊も、長期的な戦略が描けているとは言いがたい。」などが出ていました。多くの場合、政府や企業について取り上げられています。
そのためか、「戦略」は、どことなく、遠い、自分とは違う世界の言葉のように感じがちかもしれません。実は、そうではありません。私たちの日常生活、日常業務の中にも、「戦略」を意識した方が良い場面が数多くあります。

 

「戦略的思考」とは

新しいメンバーが加わることとなった会議で、次回参加メンバー間で「他者紹介」をすることになりました。その担当と順番を事前に決めてもらうよう、一人のメンバーにお願いをしましたが、こんな時にも「戦略的思考」が求められます。

「戦略」とは決めることです。即ち、捨てることでもあります。捨てるには、捨てるものを決める基準が必要になります。その基準となるのは、そもそもの「目的」です。その「目的」を達成するのに、どの道を進めば良いのかと決めた方針が「戦略」となります。
先の場合でも、色々な「目的」が考えられます。例えば、①お互いのことをよく知り合うため、②初参加メンバーが発言しやすくするため、③盛り上げるため、などです。この場合、この会議はどんな「目的」で開催するのか?という、そもそもの「目的」から遡って設定される「他己紹介」の「目的」が大切になります。
①であれば、良く知っている人を紹介できるようにするという方針が、②であれば、初参加メンバーが説明しやすく、かつ初参加メンバーをよく紹介してもらうようにする方針が、最後の③ですと、所々、ボケ役とツッコミ役を上手く組み合わせるという方針が、それぞれ「戦略」となります。その上で、具体的にどう役割分担するのかという「戦術」を考えれば良いのです。

 

「戦略的思考」が組織の意思決定を加速させる

チームでモノゴトを決める際でも、①「目的」が正しく設定されているのか?②その「目的」の実現のために、正しく「戦略」が設定されているのか?ここまで確認が出来た上で、初めて、③その「戦略」に沿って、「戦術」の是非の議論に移るのが望ましいものです。あるいは、そもそも、頼むとき、最初に「目的」「戦略」を共有しておくべきなのです。
しかし、職場では、このプロセスの確認なしに、「戦術」である、決められた役割分担の是非が議論されがちです。
箸の上げ下ろしにまで口を挟んでいるようなもので、常に、そして細かな点まで、上司に確認を取らないといけなくなってしまいます。
論理的に学習するのではなく、パターンで学習することになるので、正しい「戦術」のためには、相当の時間=経験が必要となってしまうのです。正しい「戦術」策定の確率を高め、スピードを上げるには、「戦略的思考」が不可欠なのです。

 

「組織での戦略的思考」が多くの課題を解決する

パターン学習では、そのパターンが成立していた前提条件が変わってしまうと、通用しなくなってしまいます。また、そもそも、重箱の隅を突くような小さな問題を気にしすぎてしまい、当たり障りがないが、「目的」達成の効果も小さい「戦術」しか出てきません。

まさに、今、多くの企業が苦しんでいる、根源的課題が「組織での戦略的思考」なのです。

以上

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