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「働き方改革」
数年前と比べると、18時頃の電車が随分と込んでいる。「働き方改革」の効果です。
私が会社員をやっていた頃は、滅多なことがない限り、22時前に帰れることはなかったし、飲み会の時間に間に合うのにも、必死でした。
生産性の高い働き方へ
今では、色々な工夫もなされ、「空気」も随分と変わってきたので、定時に仕事を終わらせ、ライフ≒プライベートの時間を充実させている若い方も結構いるようです。
生産性が低いと言われている日本企業にとっては、良いきっかけになっています。
1人1人に目を向けると違って見える「働き方改革」
一方で、個人に焦点を当てると少し違った見え方がします。
日本の多くの会社では、新卒一括採用、終身雇用を採用しています。
そのため、即戦力というよりは、仕事をさせながら育てるという考え方が根強く、入社して数年は、会社の成果のためというよりは、個々人の成長(リソースの充実化)への期待の方が強いです。
「鉄は熱いうちに打て」ではないですが、個々人の成長、リソースの充実化に関しては、適切な時期に、ある程度の時間をかける必要があると、私は感じています。
もし、働き方改革で、若手社員に成果が効率的に出る働かせ方ばかりをさせていると、今の若手社員は、成果にとって非効率な、成長やリソース充実化のための時間が十分に確保されないまま、すなわち、大して成長しないまま、数年を過ごし、中堅社員になってしまうと危惧しています。
今は、振り子が少し大きく振れている
だから、必ず少し揺り戻しがあります。
数年後、この振り子が少し戻って来た時、どうなっているでしょう。
後で入ってきた新入社員には、その反省もあり、しっかりと教育の時間が効率的に与えられ、彼らはあっという間に、中間社員、即ち今の若手を抜いてしまうでしょう。
恐らく、その時には年功序列も相当薄まってきているはずなので、もう彼らの居場所はありません。
「働き方改革」の犠牲になってはいけません。
長期的な視点に立ち、ワークとライフをバランスさせ、リソースを含めた自分資産をしっかりと増やして下さい。
それは、会社での勤務時間以外ででも、色々とできるはずです。
以上