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新しいコト、これまでとは異なるコトに挑もうとすると、少なくとも2つのハードルを越えなくてはならない。
まずは、必ずといって良いほど、最初に反対の声が上がる。上長=意思決定者が反対する理由は、それが失敗し、損失が健在化したら、その責任を問われるからだ(そもそも、提案が稚拙な場合は別だが)。これが、一つ目のハードルだ。
挑戦しない、変革を起こさない=先延ばしにする、ことによる機会損失の責任は余り問われない。だから、誰もが、もっともらしい理由を並び立てて、リスクを取らない。かっては、様々な神風が吹いていたため、それでも、日本企業は成長出来た。しかし、安定的に成長できた時代を経て、挑戦した人よりもリスクを最小限にした人が出世してしまい、ますますこの風潮が強まっている。すなわち、一つ目のハードルが高まっている。
さらに、新しいコトは面倒くさい。大抵の場合、思ってもいない障害にぶつかって、想定通りには。そうなると、「それみたことか!」と反対派が声を上げ、お蔵入りになってしまう。これが二つ目のハードルだ。
しかし、思ってもいない障害があると同時に、思ってもいなかった発見もあるはずだ。「『プランB 〜破壊的イノベーションの戦略』,ジョン・マリンズ」にあるように、アマゾン、アップル、ザラ、スカイプなどは、プランAでは当初上手くいかなかったが、プランBを構築し、成功している。
だから、思ってもいない障害にぶつかって“転んでも”、ただでは起きず、思ってもみなかった発見をしっかりと学び、二つ目のハードルを越えさせ、プランBで再挑戦するべきだ。
誰もが賛成するアイディアは、陳腐なアイディアでしかない。結果が保証されない、分からない中で、如何に新しいことに取りかかれるかが問われている。そこを押し通し、二つのハードルを越えて、成功させることによってこそ、本当の価値が生まれる。しかし、今の日本の企業では、それが難しくなっている。このようなイノベーションが人頼みとなってしまっている。
二つのハードルを越えるには、意思決定者に心情的なバイアスをかけずに意思決定を行える、最初からプランBまでを前提とした意思決定の仕組みが必要だ。貴社でも、このままほっておくと、一向に二つのハードルを越える新しいコトが生まれず、横並びのコトしか行えない企業になってしまう。
以上