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2018.10.01
コラム
Column [Creative Work#35] ;石橋を叩かずに駆け抜ける

想定外

2018年9月未曾有の大型台風が日本列島を続けざまに襲った。50年近く生きてきたが、身近で、車が、電柱が、風でなぎ倒されるような映像を見たのは初めてた。ある経営者から、BCP(Business Continuity Plan)を作っていたが、『想定外』が多すぎ、全く役に立たなかったと伺った。台風が過ぎ、その対策の必要性が叫ばれている。
しかし、どこまでリスクを想定し、対策しておかないといけないのだろうか?今回、高潮で浸水被害を受けた地域の防波堤も、過去のデータに基づき、100年に一度程度の高潮が来ても大丈夫なものだったはずだ。これを千年に一度にするのか、1万年にするのか、そんな議論だ。

 

蔓延するゼロリスク

同じような状況が、企業の中でも起きている。新規事業や新しい取り組みを始める際、ガバナンス強化の一貫で、私たちは必ずリスク評価を行う。リスク管理を所轄する部署や、その新規事業や取り組みを承認する上司の立場からすると、リスクに漏れがあったり、認識していても対策が不十分なリスクがあり、それらが健在化してしまうと、“何をしていたのか?”と叩かれてしまう。
結果、認知されたリスクにどう対応するのかを、事細かく考えておかなければ、即ち限りなくゼロリスクにしなければ、承認できなくなっている。

 

叩いて渡る石橋の先にある、競争優位性の喪失

用心に用心を重ね、叩いて渡れると確認できた石橋しか渡らない、というようなことを続けていたら、他社と同じことしかできないので、差別化できず、競争優位性を失う。
参入企業が限られる、成長している市場において、横並びで、失敗しないことが安定的な成長の基本だった。
しかし、多くの企業が対峙している市場は、そのような市場ではない。石橋を叩かずに駆け抜ける、そんな『変化対応力』が求められている。

 

失敗を許容するマネジメントへ

そもそも、私たちは、失敗や思った通りに行かないことを極端に嫌う、避ける『習性』がある。その『習性』を前提にしたガバナンスの仕組みが必要だ。
ある経営者は、こう言っていました。「6割、7割いけると思ったら、やってみる。これを10割まで確認していたら、旬が過ぎてしまう。何か問題が起きたら、その時に考えれば良い。」と。

以上

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