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『常識』を疑うところにビジネスチャンス
NejiLwaの「緩まないネジ(1996年開発)」、パイロットの消せるボールペン「フリクション(2007年発売)」(開発秘話)、ダイソンの「羽無し扇風機(2009年発売)」。『常識』を越える発想から、生み出されたヒット商品は数多い(ダイソンの「羽無し扇風機」については、東芝が30年程前に類似特許を出していたという話しもあるようですが)。
VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代、多くの企業が「常識を越える新しい発想」、「当たり前を壊す提案」を探究している。当社に対しても要望が多く、私もコラム【CW#31】;不確実な未来へ、常識を疑えなどで、その重要性を示している。「常識を疑うところにビジネスチャンスあり」だ。
空気みたいな『常識』
『常識』は空気みたいなものだ。
私たちは、地球が宇宙空間に浮かんでいることを知っている。しかし、ギリシャ時代に哲学者が打ち出した「大地は何物にも支えられていない」という仮説は、当時の人を大いに仰天させた。まさか、当時の人々は、足下に堅固に存在する大地が宙に浮いているなどと、夢にも思わなかっただろう。『常識』とは、そんなものだ。
空気のように普段、意識できていないので、『常識』は壊すのも難しい。
『常識』を顕在化させる
ビジネスが生まれるには、①『常識』を疑って、新しいソリューションを生むか、②『常識』を壊すようなソリューションを生むか、をしなければならない。そのためには、『常識』を顕在化させなければならない。
強い『内なる動機』から起こる、「あるべき姿」「ありたい姿」に向かう『問い』への探究だけが、自らが囚われている前提条件、『常識』をあぶり出すことがことが出来る。
『常識』の通用しない環境に身を置く
高校生の時、1.5年程、入れ替わり立ち替わり、交換留学生が我が家にいた。彼らには、本当に私の(日本の)『常識』が通用しなかった。「普通、○○するはず」がほぼ通用しなかったのだ。
今の仕事を始めてから、本当に色々な立場の方と接する機会がある。それぞれが、それぞれの『常識』をお持ちで、それぞれの『思考方法』をお持ちだ。議論するとき、自分の『常識』と『思考方法』だけを拠り所にしていては駄目で、ギャップがどこにあるのかを常に意識しなければ、中々建設的にならない。
このように、『常識』が通用しない環境に身を置いてみることも大切だ。例えば、普段と違う人達と飲みに行ってみる、経路で帰宅してみる、などで良い。『常識』、『非常識』の感性が研ぎ澄まされる。
それが、『常識』を壊す、一歩となるはずだ。「仕事をするには、毎日、満員電車に乗って出勤しないといけない」というのは『常識』でしょうか?
以上